「今日の演奏会行くんやろ?」と、先輩のS氏から突然の携帯電話。聞けばミード氏の演奏会らしい。連日深夜までの多忙な日が続いて、すっぽり情報が欠落していた。大急ぎで仕事を片付け、フェスティバルホール当日券売り場に到着。「まだチケットありますか?」の質問に、「あります!」との回答。ラッキー!と思いながら、念のため「市音の演奏会ですよね?」と聞きながら財布を取り出したその時、「ムターのコンサートですよ。」といぶかしげな声と共に1枚のチラシを渡された。そこにはスタイリッシュなアンネ・ゾフィー・ムター(Vn.)が・・・。これも聴きたい!と強い思いを抱きつつ、タクシーを飛ばして、シンフォニーホールへ。
ホール前は既に多くの人で埋まっており、あせりつつ当日券売り場に並ぶ。しばらく待っていると、チケットが「一枚あまったのでどうぞ」という声がかかった。チケット代をお渡ししようとしたが、あまったものなので・・・と受け取っていただけない。なんと親切な方だ!1階F7に着席すると、ミード氏が至近距離で見られ、かつベルもこちらを向くというベストポジションであった。すばらしい出会いに感謝、感謝。
ピーター・グレイアム氏の世界初演のユーフォニアム協奏曲は、「称うべき紳士たちの列伝に~IN LEAGUE WITH EXTRAORDINARIY GENTOLEMAN」という名の曲。①タイム・トラベラー、②ファイナル・プロブレム ③グレート・レースの3楽章の構成。第1楽章はH・G・ウェルズ「タイムマシン」、第2楽章はコナン・ドイル「シャーロック・ホームズの回想」から「最後のの事件」、第3楽章はジュール・ベルヌ「80日間世界一周」の各作品に登場する3人の「称うべき紳士」を題材に作曲された。そして、グレイアム氏の父と祖父、叔父の称うべき3人のユーフォニアム奏者(!)に献じられた。
ミード氏の英国ブラスバンド由来の類まれなる豊かな響きに魅了された。特に第2楽章は電子残響とホール残響の相乗効果を生み出す技法で、ユーフォニアムの特性を生かしたいままでにない素晴らしい響きの世界を体験させてくれた。
ミード氏の抜群のテクニックは、アンコールのチャールダーシュで頂点に達し、その楽しさは会場を一気にブラスバンドの世界へ引き込んだ。一般の市民も惹きつけてしまうブラスバンドで鍛え上げられた歴史とパワーを感じた。すごい!一度本場で、その雰囲気の中でブラスバンドを聴いてみたい、そんな気持ちになった。
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