「楽隊のうさぎ」を本のコーナーでご紹介した。懐かしい思いを感ずる一冊である。
私もこの本の主人公である克久と同様、高校のときに何の気なしに吹奏楽部の部室へ行き、なんとなく楽器が決まってしまった一人だ。あてがわれたユーフォニアムは、、いわゆる日管のくびながユーフォといわれる3本ピストンのバリトンで、三角形のベニヤ製木箱に入っているものだった。その楽器はまっ茶色でまったく光を発せず、金色に輝くトランペットを横目に少しもの悲しい気持ちだった。練習した後には、手と口が緑青で緑色になった。楽器を一生懸命クロスで吹いてもなかなか緑青を撲滅できず、病気になってはと心配した親が買ってくれたのが今あるYEP321Sである。(感謝)
大学の吹奏楽部では、入部当時パーカッションが人手不足で、一方ユーフォニアムは3人いたため、コンクールもパーカッションデビューとなった。課題曲は「南の島から」、自由曲は「Pacific Celebration Suite」で、トライアングル、シンバル、シロホンにグロッケン、タンバリンにタムタム、バスドラム云々とあれもこれもこなさねばならず必死であった。とはいえ、パーカッションの響きが微妙な一瞬の動作にこんなに影響をうけるのか!という奥深さを知ることにもなり、非常にいい経験であった。まったくのパーカッションど素人が全国大会の舞台に立ち、ある意味破壊力のある楽器を駆使するわけであるから、ユーフォニアムとは違うプレッシャーもあり、これもまたいい経験となった。
さて、この「楽隊のうさぎ」であるが、ユーフォニアム&奏者も何度か登場している。本文から抜粋してみた。
P114~窓から差し込んだ光で銀色のユーフォニウムが静かに光っている。~ P116 ~銀色に輝くユーフォニウムの向こうで、田中さんが校庭を眺めていた。~ P117 「なんで、こんなところにユーフォンが残っているんだ」大声の主は有木だった。ユーフォニウムが銀色に光っていた。ユーフォニウムは楽器ケースに収められて、市民ホールにもう運ばれていなければならなかった。「あ、それはミンミンが、ちょっと忘れ物をとりに行っているから」田中さんが答えた。「ミンミン?」有木が変な顔をする。「ミンミンじゃなくて、路村さんです」そうか、田中さんは路村さんを待っていたんだと克久が思った矢先に、当のミンミンがばたばた音楽室に飛び込んで来て、「たいへん、遅れる、急がなくちゃ」とユーフォニウムを楽器に収めた。~ P137~ユーフォニウムのミンミンが二人について行く。~ P316~ミンミンのスカートのヘムの糸が切れていたのである。~となっている。
最後の普門館のステージのシーンでは、課題曲「ラ・マルシェ」、自由曲「シバの女王」でのユーフォニアムのオブリガートやソロなどの活躍を期待したが、残念ながら願いはかなわなかった。まったく登場しない楽器もあるので、贅沢といわれるかもしれないが・・・。
是非次作、克久が高校の吹奏楽部で活躍する「続・楽隊のうさぎ」?では、もう少し活躍の場をユーフォニアムに頂戴したいと願っている。
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