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2009年6月26日 (金)

テノールテューバ(ユーフォニアム)が活躍するヤナーチェク「シンフォニエッタ」のポケットスコア。

舞台で指揮者の前に置いてある譜面には全てのパートが記されている。これをフルスコア(総譜)という。フルスコアは指揮者ではない各パート演奏者や一般の方には大きすぎて邪魔だし、購入も非常にしづらい。でもポケットスコアなら電車の中でも読めてしまうし、最近はアマゾンで買える。ヤナーチェク「シンフォニエッタ」は少々マニアックなので、おそらくポケットスコアはないだろうと勝手に思い込んでいたが、ちゃんとあった。村上春樹氏の「1Q84」は、本屋に行っても売り切れ状態。そこで増刷ができあがるまで、このポケットスコアとCDを先行入手して、音楽を先に楽しむのもいいかもしれない。

ユーフォニアム関係者の方は、認知度を上げる好機到来ということで、この際「1Q84」シンフォニエッタ人気をうまく活用したいものだ。

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2009年6月21日 (日)

村上春樹「1Q84」に登場するヤナーチェック「シンフォニエッタ」の演奏を比較する。

ヤナーチェック作曲「シンフォニエッタ」のポケットスコア(Eulenburg/Zen-on)がAmazonから届いた。この曲の印象を決定づける第1楽章「ファンファーレ」のユーフォニアムと金管の演奏をスコアを眺めながら少し比較して楽しんでみたい。

村上春樹「1Q84」には出てこないCDだが、この曲の初演をしたオーケストラであるチェコフィルの演奏を聴く。ファンファーレなのに冒頭トランペット(Tp)、トロンボーン(Tb)はお休みで、2本のテノール・テューバ(ユーフォニアム)から始まる。しかも全てスラーがついている。フロントベルで輝かしく始まる普通のファンファーレとはかなり趣が異なる。そこをなるほどチェコフィルの演奏は<>に加えヴィブラートもかけながら非常によく歌っている。ユーフォニアムの音量も響きも豊かでのびのびしている。もっとも濃厚な演奏ということもあり、「1Q84」の教団リーダーがもし聴いたとすれば、このCD(ノイマン指揮)だろう。なお、25小節から30小節の間は、私のスコアとは版が異なっているのかもしれない。

天吾が聴いてた小澤征爾・シカゴ響はTpもTbもストレートに堂々と響いてくる。最後の方は高音が続ききつくなってくるところだが、そこはさすがシカゴ響の金管である。素晴らしい。Tbが他の2つの演奏よりも前に出てくるのと、これも少し版が違うのかもしれないが、いつもとは異なった印象のところがあった。天吾が吹奏楽で経験したティンパニは、こんなイメージだったのだろうか。3つの演奏それぞれティンパニの響きが特徴的なので、このあたりも楽しめる材料だ。妻と相談し、チェコをゴールド系イエロー、シカゴを深みのあるブルー、クリーヴランドをブラウンとティンパニの音色を表現してみた。このレコードは若き日の1969年の録音ということで、あちこちのメジャーオーケストラに客演してその実力をPRしていた時代のもの。CDは「1Q84」人気で、最近1万枚の再販が決まったようだ。

青豆の聴いていたセル・クリーヴランド管。完全主義者といわれるセルと彼自らが鍛え上げたクリーブランド管と青豆は求める方向がぴったり。演奏はいかにもファンファーレらしくユーフォニアムもアクセントぎみに入ってくる。チェコフィルとは対極に位置する表現。演奏テンポもいちばん遅くしっかりとした歩みをみせる。重厚な雰囲気は深い秘密(任務)を担う青豆のイメージと重なる。同じアメリカのオケであっても小澤版とは相当違う。

この曲に関して、ヤナーチェックは「今日の人間の自由、平等、喜び、そして時代に立ち向かう勇気と勝利への意志」と書き記している。なお、スコア自体には記載されていないが、第2楽章「城」、第3楽章「僧院」、第4楽章「街頭」、第5楽章「市役所」という表現がそれぞれ与えられているようだ。全部で約25分程度の短い曲なので、是非全楽章を聴いていただきたい。最後の楽章では再度ユーフォニアムのファンファーレが再現される。

シンフォニエッタの試聴⇒ http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%AF-%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%BF-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E7%AE%A1%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%A3-%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B1%E3%83%A9%E3%82%B9-%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA/dp/B00164PO2S 

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2009年6月 7日 (日)

「ヴィオラに光を」文藝春秋6月号(2009)広告。

090607_133700 2009年文藝春秋6月号の広告「ヴィオラに光を」に引き寄せられた。新日鉄文化財団が運営する紀尾井ホールで「第1回東京ヴィオラコンクール」を開催するという。2003年から当ホールに「ヴィオラスペース」も設けている。広告ではヴィオラを「重要だが主役ではないいぶし銀のような存在」、「いちど聴いた人をとりこにする豊かで官能的な響きに満ちている」と表現している。

当ホールの主催イベントかどうかは記憶が定かでないが、ユーフォニアムのリサイタルもあったように思う。ヴィオラとともに、是非「ユーフォニアムにも光を!」お願いしたい。紀尾井ホール⇒ http://www.kioi-hall.or.jp/

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2009年6月 5日 (金)

『1Q84』と『シンフォニエッタ』のレコードについて。

『1Q84』の主要な登場人物である天吾と青豆は、ヤナーチェック作曲の『シンフォニエッタ』をレコードで聴いている。確か我が家にも古いレコードがあった筈と思い探してみると、小沢征爾cond.シカゴ交響楽団の演奏だった。東芝EMIのセラフィムエクセレントシリーズとあるので、おそらく1300円の廉価版だと思う。ルトスワフスキの『管弦楽のための協奏曲』も収録されている。『1Q84』のなかで、この演奏を天吾が聴いている。

今もジョージ・セル指揮クリーブランド交響楽団の演奏はCDで継続して販売されているが、残念ながら我が家にはない。手元にあるのは、ノイマン指揮チェコフィルのCDだ。こちらのライナーノート(平林直哉氏)を少し抜粋する。

「ヤナーチェクは61歳の時に、当時23歳のカミラに出会った。カミラはヤナーチェクの妻ズデンカが控えめで上品なのとはほぼ正反対の、妖艶で活発な女性だった。しかもカミラは人妻であったが、2人の交際は親密で交わした手紙は膨大な量にのぼった。」

このカミラと公園で散歩をしている時に聞いた軍楽隊の演奏の印象から『シンフォニエッタ』は作曲されたようだ。

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2009年6月 2日 (火)

『シンフォニエッタ』と村上春樹「1Q84」、そしてユーフォニアム。

Rotary_instruments_2  村上春樹氏の新作「1Q84」の書き出しは、ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』がタクシー車中のFMのクラシック番組で流れてくる、というものだった。私の頭のなかにすぐにこの曲独特の音色と強い印象を放つ旋律が響きわたった。感動的なオープニングだ。まだ、1頁目を読んだだけだが、一気に引き込まれ、久々にブログを書くことにした。

この『シンフォニエッタ』の特徴的な音色(おんしょく)を生み出す大きな要因はユーフォニアム(スコア表記:テナー・チューバ)の響きにある。冒頭のファンファーレは2本のユーフォニアムが5度の並行調で導いている。通常のオーケストラでは出せないこのサウンドは、ユーフォニアムやバストランペットを加えたヤナーチェックのオーケストレーションの妙技といえよう。まだお聞きでない方は是非一度聞いてみていただきたい。一度聴いたら忘れられないほどのインパクトを持つ曲だ。(写真はチェコのチェルベニー製ロータリーバルブ仕様Euphonium)

私がこの曲と最初に出会ったのは、1979年か1980年にオンエアされたNHK-FM放送のクラッシク番組。1979年11月13日の東京文化会館での収録で、ズデニェク・コシュラー指揮、チェコ・フィルの演奏であった。その際、あまりに強い印象を受けて、是非とも吹奏楽でやりたいと思っていたら、もう来日の翌年には駒澤大学がコンクール全国大会で演奏したのだった。私も出場していたのだが、それを会場で聴いて驚きと感銘を受けたことが今も記憶に鮮明である。

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